カラフルな色使いに、デザイン性と機能性を兼ね備えたハンドバッグでお馴染みの「ケイト・スペード ニューヨーク」。マドモアゼル誌のエディターだったケイト・スペードは、自身が毎日使いたくなるようなハンドバッグがみつからないなら、自分で作ってしまおうと、1993年、“SAM”という名前の6つの代表的なバッグを発表。これが「ケイト・スペード ニューヨーク」のはじまりです。ケイトとアンディの二人によってスタートし、これまでのマーケットにはなかった艶やかな素材やカラーパレットのアイテムは瞬く間に女性たちの心を虜に。以後、ハンドバッグにとどまらず、ドレスなどのアパレル、シューズ、ジュエリー、アイウェア、フレグランス、子供服など、毎日の生活を豊かに彩るさまざまなアイテムをデザイン、提案するグローバルブランドに成長します。しかしoptimistic femininity(前向きな女性らしさ)をテーマに、毎日の人生をちょっと楽しく、ハンドバッグを持ち、ドレスを着ることでハッピーになれるアイテムを提案するというコンセプトに変わりはありません。そして2018年1月にクリエイティブ・ディレクターに新たにニコラ・グラスが就任、デビューを飾った今年の春コレクションでまず驚いたのは、これまでの鮮やかな色彩から、ピンクベージュ、ディープグリーン、ワインレッドなどのシックなカラーコンビネーション。いろいろなところに使われているブランドを象徴するスペード。中でも印象的なのはブランドを代表するバッグ“ニコラ”です。スペードからハートに変わるユニークな留め金、スペードのおしりとよばれる丸みを帯びたバッグの内側のカッティングなど、スペードが大胆にそしてさりげなくデザインされ、落ち着いたカラーとモダンなデザインはどんなファッションにも合いそうです。
「ケイト・スペード ニューヨーク」日本の代表である社長の柳澤綾子さんは、これまでのケイトが作り上げたブランドのヘリテージと唯一無二のパーソナリティーを大切にしながら、よりモダンに品のある洗練されたニコラ・グラスの新しいコレクションに対する自信を覗かせます。「ケイト・スペード ニューヨーク」の日本上陸が1996年、柳澤さんがジャパンのチームに加わった99年はわずか6名だったメンバーも今では500名以上に増えましたが、時代を経て、大所帯になっても変わらないのは「どうしたらお客様に喜んでもらえるか」。このビジネスミッションの一つを念頭に、誕生日やクリスマス、彼やパートナーからのプレゼントなど、喜びや幸せなことを楽しむためにどんなお手伝いができるかを常に考えているといいます。またミューズと呼ばれる店舗スタッフは、お客様をインスパイアする存在として、お買物をするだけでなく、ミューズに会いにくるという関係を作ることで、信頼関係が生まれ、ケイト・スペード ニューヨークを長く愛してくれるファンが増え、よい結果に繋がっているそうです。名古屋地区の旗艦店でもあるミッドランド スクエア店は「女性らしさを賞賛するという名古屋の地域性から、女性らしいエッセンスを意識して取り入れています」と柳澤さん。ピンクやリボンなどフェミニンなアイテムが好きな名古屋女性たちにとって「ケイト・スペード ニューヨーク」のバッグやドレスなど色使いやモチーフは抵抗感がなく、成熟した女性から若いお嬢さんまで幅広い層に支持されています。ブランドのメインテーマの「あなたは自分の人生のヒロイン」というポジティブな想いはそれらを手にすることで実感に変わり、彼女たちが笑顔になることで、幸せのオーラがこれからも世界中に広がっていくことでしょう。
大妻女子大学在学中、イギリスに留学。帰国後1998年にサンエー・インターナショナルに入社。翌年ケイト・スペード事業部へ。MDアシスタントからスタートし、営業、VMD、MD、事業統括を経て2009年より現職。仕事と家庭を両立し、明るくポジティブな姿は現代の働く女性たちのリーダーとしても注目の存在。