2014年06月16日の記事一覧

マリコさんの吉兆日記。

2014.06.16 UP

少し前の話になってしまいますが
お友達のライター、近藤マリコさんが
ミッドランドスクエア41階の
「京都吉兆」を特別なお席に
御選び下さいました。
レポートを書いて下さいましたので、
アップさせて頂きたいと思います。

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五月某日、母のお祝いのお席に
吉兆さんにお邪魔しました。
これは母たっての希望でした。
背の高い吉兆に行きたい・・・
と・・・笑。
年齢を重ねると、
やはり和食がいいんですね。
なんといっても世界遺産に
認められた日本の宝ですから。
予約の時に、母のお祝いと
お伝えしてあったので、
この日のしつらえは、
すべてお祝いモードに
してくださっています。
?
床の間は大きな掛け軸で
「寿」が。
?
床脇には文箱が。
琳派!琳派!琳派!
こういうお宝がさりげなく
しつらえてあるとは、
さすが吉兆!と感心しきりでした。

水引も愛らしい色合いで
お祝いムード満載です。

最初の乾杯は、
菖蒲の根(だったと思います)
が入った日本酒で。
これが滅法美味しかったのです。
ほんのり甘くて軽やかで、
最初のお酒にはぴったりです。

中身は、菖蒲が描かれた器に、
あわび。


お椀は鶴。
いちいちお祝い(笑)ですね、
母も感激してました。

お刺身の器も、鶴でした。
左から醤油、塩、ポン酢。
このお魚はお塩がいいね、
とか、ポン酢も面白いね、
などと言いながらいただくのが
楽しいのです。
そして以前、料理評論家の
山本益博さんの吉兆取材の時に、
山本さんがおっしゃっていたのは、
「このわさびは、
専門の人がすっていますね。
やわらかい味わいになっているから
すぐに分かります。
さすが吉兆さんですね」と
おっしゃっていたのを思い出しました。
このわさびさえあれば、
いくらでもお酒が
いただけそうです(笑)。

じゃーん、めで鯛お料理といえば、
お赤飯です。

吉兆のお赤飯は松の実が
入っているのが特徴です。
ちょっと香ばしくて、
お食事の途中にいただいても
違和感がありません。

なんという美しさでしょう!
八寸です。
菖蒲の葉を両脇に、
奥のぼんぼりは
お大根のかつらむき!
金銀の豆皿でお祝い色を、
江戸切子のガラスが涼を呼びます。
これこそ、日本が世界に誇る
世界無形文化遺産ですね。
わざわざお部屋を少し暗くして、
一人ひとりに持ってきて
くださいました。
?
お魚は蒸し料理でした。
簾の下からはモクモクと煙が。
そして、うまく写真には
映せませんでしたが、
この下のお皿が九谷焼で
素晴らしかった。
右のレモン皿も多分九谷ですね。

炊き合わせは若芽と筍。
この若芽がとっても美味しくて
印象的でした。
さらに削り立てのかつお節をかけると、
また風味が加わって
違う味わいになります。

いよいよ最後のご飯。
お釜がお部屋に運ばれました。
?
じゃーん。
お釜の中は、まるで
菜の花畑のようです。
関係ないけど、
この仲居さん美人ですよね。
父が褒めまくってました。
「感じが良くて品があって、
あしらいも完璧」だそうです。

母は、「立居振舞が素晴らしい、
さすが吉兆さんの教育は
行き届いているのね」と
偉そうに言ってました。(笑)

そして、デザート。

デザートの後のお薄が
素晴らしく美味しかったです。

夏の吉兆宇治金時を思い出して、
その話をしていたところ、
仲居さんから
「宇治金時に使っているものと
同じ抹茶でございます」と
ご説明いただきました。
まろやかで平らな味わいでした。
夏の宇治金時が今から楽しみです!

最後の最後に、ほうじ茶と小菓子。

トイレの窓からふと夜景を見ると、
眼下に名古屋城が。

母いわく
「ご不浄からお城を見下ろすなんて、
なんだか失礼なんじゃないかしら」。
ふむ、確かにそうですね。
それだけ贅沢をさせていただいたと
いうことでお許しいただきましょう。

この日のメンバーは私の両親、
姉夫婦、姪っ子2人の合計7人。
実は姪っ子の大学卒業と就職祝いに、
「一流料亭に着物を着てお食事しながら、
和食のマナーと立居振舞を勉強する」
というのを私がプレゼントしました。
それがここ、吉兆さんのお座敷に
一緒に出掛けたのでした。
吉兆でマナーを学んだおかげで、
立派な社会人になりました。
どうもありがとうございました。

日本の伝統美が集約されている吉兆は、
まるで日本文化の生きる博物館です。
こうしてきちんとお食事をいただくと
それがよく分かります。
また季節を替えて、
両親が元気なうちに何度も
お邪魔したいと思います。

●京都吉兆
http://www.midland-square.com/shop/shop_guide_check.php?store_code=4101

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マリコさんのご実家は
岐阜で代々続く
老舗の和紙問屋さん。
日本文化を愛し継承されている
ご家族ならではの、素敵な会席。
より深い楽しみ方を
学ばせて頂きました。
有難うございました。
それにしても姪っ子さん、
マリコさんにそっくり。(笑)